case.20  脳血管障害の後遺症

 初代が遺してくれた治療ノオトというものがあるのですが、そのまま現在においても適用させてもらっている治療法もあれば、記されている通りには現在は行なっていない治療法もあります。  〈壱〉 患者の人中に刺鍼すべし。  〝 人 […]

case.19  もち・・の話

「よし、これでいいでしょうッ!」 「ありがとうございます!」 「気分はいかがですかッ!?」 「サイコーですッ!」 「それはよかったッ!」 「生まれかわったみたいにッ!」 「はいッ!」 「体が軽いですッ!」 「またご来院く […]

case.18  脈

 〝 完全予約制 〟 と打つと、なんだか敷居の高そうなお店と受けとめられがちですが、実際はそんなことはありません。 「今ハリを刺してくんねぇ?」  と突然院のドアを開けてたずねてくる人もたまにおります…… 「今ほかに誰も […]

case.17  保険

「保険って使えないんですか?」というような質問をされることがたびたびあります。「使えたら、ずいぶん金銭面でもラクになるんですけど」  それはその通りでしょう。 「ラクになるのが身体面だけじゃなくて」 「……っていう意味で […]

case.16 〝 脊柱管狭窄症 〟

「脊柱管狭窄症せきちゅうかんきょうさくしょうなんて、もう良くならないですよね?」という電話が事前に入ります。「もう手術するしかないですよね?」  通院している病院や整形外科や整骨院などででも、そう告げられたのでしょう。 […]

case.15  禁断のツボ

 〝 投手生命はそれで終わりと針の先生にも言われ、来年からはプレーできない最後の治療だった 〟 という文言を、わたしはいまだに引きずっています。このショートショートはなるべく一回一回が独立した単発の読み切りにしたいのです […]

case.14  読売ジャイアンツ・沢村投手の刺鍼事故について

 九時の開院までにはいろいろとやることがあります。23 ~ 25℃ という治療中の適温を保つためにエアコンを点けることから始まり、ベッドのシーツを換え、枕のカバーを換え、ハリとモグサの在庫を確認し、その戸棚から消毒液のタ […]

case.13  カゼ

「先生には日頃からお世話になっているので」時々治療院に来る患者さんです。いつもはとくにこれといった症状はなく、健康増進のために来院してくれるハリ灸にはもってこいの患者さんです。「少しおすそ分けを」  と今日は施術を受けに […]

case.12  足三里

 これから旅に出ていくためにワクワクしながら身支度を整えている姿が、今まさに目の前にうかんでくるような文章ですね。はやる気持ちを何とか抑えようとしている文章のように、わたしには感じられてしまいます。もも引きの破れをつづり […]

case.11  美容鍼

 ハリは漢字で書くと、とてもややこしい字体になります。 〝 鍼 〟という画数の多い漢字になるので、当院ではカタカナで表記することがほとんどなのですが、最近では患者さんの方からわざわざ 〝 鍼 〟 の字を書いてくることも増 […]